この職種に限ったことではありませんが、システムエンジニアの働くスタイルは大きく分けて以下の3つの働き方が存在します。

  • 正社員
  • 派遣社員
  • フリーランス

この記事では、それぞれの働き方のメリット・デメリットをまとめて解説します。

 

正社員

SE(システムエンジニア)と呼ばれる方々の中で、一番一般的な働き方で、1つの企業に所属しているサラリーマンです。

このあと紹介する派遣社員・フリーランスに該当する方でも、多くは正社員を経験したのちにそれぞれの働き方を選択した方が大多数になります。

メリット

安定した収入と福利厚生があります。

右も左もわからない新入社員や技術向上を考えた社員にとって、会社が用意してくれる資格や技術の研修が無料(または割引)で受けられるのは非常に魅力的な制度です。

研修の期間であっても「勤務時間」ととらえられることも多く、当然ですが、その場合給与の減額にはなりません。

また、仮に参画するプロジェクトが完了し、次の案件まで期間が空く場合でも、その期間の給与が発生しないという事態はありません。

つまり、仕事が無くても最低限の給与は保証されているということになります。

デメリット

メリットで紹介した「仕事が無くても給与は保証されている」ということは、言い方を変えれば「仕事をしなくても給与はもらえる」ということになります。

残念なことに、この制度によって向上心を無くしてしまう社員が誕生してしまい、経験年数を重ねるごとに技術・知識の格差は大きくなります。

会社全体で考えると、会社の売り上げは按分されて各社員に振り分けられます。賞与や昇給の差はあれど、最低限の給与が保証されている分、「できる社員ができない社員を支えている」という構造ができてしまっているのです。

また、会社によって違う場合もあると思いますが、以前私が所属していた会社は、参画指示のあったプロジェクトに対してNOが出しづらい環境でした。

自宅から片道2時間近くかかるような現場であっても、「遠いから…」という理由では参画を見送るようなことはできませんでした。

派遣社員

求人情報等でよく目にするコールセンターや携帯ショップ販売と同じで、システムエンジニアにも派遣社員という働き方があり、多くの方が働いています。

一般的な求人情報で目にすることが少ないのは、SEの派遣社員が経験値を必要としていることが多いためです。

正社員の紹介で記述したように、ある程度経験を積んだシステムエンジニアや、就業時間に制限のある育児休暇明けの女性が活躍している現場も少なくありません。

メリット

正社員と違い、自社の都合に左右されるようなことがなく、最低限の技術・知識があれば自分で仕事を選ぶことができます。

参画案件は派遣会社の営業から提示され、たとえば「稼働の落ち着いた案件(A案件)」と、「残業必至の案件(案件B)」があった場合、「子育てを重視したいので案件Aで」という選択肢をとることができます。

逆に、「収入重視なので案件Bで」という選択も可能です。派遣社員は基本的に時給計算となりますので、働いた時間の分だけ給与に反映されるという魅力もあります。

派遣のシステムエンジニアの時給は2,000円以上、高いものだと3,000円になるような案件も多く、正社員と同額以上の収入を見込めることも多々あります。

デメリット

メリットで紹介したように、派遣社員の給与は時給計算になりますので、休暇の多い月(年末年始やお盆の時期)には必然的に稼働日が少なくなります。

そうなると、月ごとに収入が上下するので、安定性の面だと正社員には劣っていると考えることができるでしょう。

また、正社員と違い「派遣切り」の不安があるのも事実です。

会社は技術ありきで採用しており、即戦力として考えていますので、期待する成果が上げられない場合は「来月からの更新はしないよ」と言われてしまう危険もあります。

フリーランス

派遣社員と同じように、もともとは会社に所属していたサラリーマンが退職した後に選ぶ働き方です。

「フリーランスのシステムエンジニア」と聞くと、自宅でパソコンをいじっているようなイメージを持つ方もいると思いますし、事実そのような働き方をしている人もたくさんいます。

ただ、割合で見るとそのような働き方をしているのは少数で、多くは派遣社員と同じように客先へ常駐した働き方をしている方が多く、私自身もこの働き方をメインに仕事をしています。

イメージがわきづらい方は、大工さんのようなイメージを持っていただけるとわかりやすいと思います。

家を建て終わったら別の現場に行くように、フリーランスのSEも1つの案件が終われば別の案件を探し、参画するといった働き方をしています。

メリット

なんと言っても一番のメリットは高額報酬にあると思います。

フリーランスのシステムエンジニアの報酬は、平均で年収700~1000万という情報があります。

独立直後は実績が無いため、報酬は低目に設定されることも多いようですが、私が独立後最初に参画した案件でも、この年収の範囲内に収まっています。

また、正社員と違い、参画案件での作業において依頼を受けることはあっても命令を受けることはありません。

もちろん、だからと言って好き勝手しているとプロジェクト半ばで期間延長はされない、という可能性もありますので、依頼された作業をこなす努力は怠ってはいけません。

デメリット

正社員のメリットである「安定した収入」と「福利厚生」はありません。

1つのプロジェクトが完了すると、基本的にそのタイミングで私たちの仕事は終わり、ということになります。

お客様から高評価を受けて、別の案件を紹介してもらえることもありますが、そうではない場合は自分で次の案件を探すことをしなくてはなりません。

案件を探す場合、早ければ1週間くらいで決まることもあれば、長ければ1か月近くかかることもあります。この間もちろん収入はゼロですので、参画中のプロジェクトの終了時期を把握し、逆算して次の案件も探すような行動力が必要です。

 

いかがでしたでしょうか。それぞれの働き方について簡単な説明でまとめてみました。

派遣社員やフリーランスの働き方について、もっと詳しい内容を知りたい方は別途記事を作成しますのでご覧いただければと思います。