エージェントサイト等で開発案件を探したとき、一番に目が行くのは月額報酬ではないかと思います。
(実際、そこだけ赤文字だったりしますし)

もちろん高額な案件は目に留まりやすいですし、技術や条件がマッチしていればエントリーを考えることもあるでしょう。

しかし、案件を探す際は報酬や技術だけではなく、清算条件についてもよく見ておく必要があります。

 

具体的な例を下に書きます。

案件名 報酬 清算条件 通勤時間(片道)
案件A 600,000 140-180h 30分
案件B 650,000 固定清算 60分
案件C 700,000 150-190h 90分

まず、案件Aと案件Bを比べて見てみると、単純な報酬では差は5万円であり、案件Bのほうが魅力的に見えますが、清算条件の面で案件Bは固定清算であり、案件Aは清算幅が発生しています。

仮にどちらの案件も残業の多い案件で、長時間の残業が見込まれる場合を考えてみましょう。

案件Aにおいて、180時間を超えた場合の残業代は

600000 ÷ 180H = 3333.3333(≒3334円)

上記のようになり、約15時間の残業を超えると、案件Bよりも報酬が多くなることになります。

 

次に、案件Aと案件Cを比べてみます。

清算条件での比較はすでに例を挙げましたので、ここでは通勤時間による比較をしてみたいと思います。

仮に「どちらの現場も稼働が落ち着ており、清算条件の上限を超えることはまず無い」と仮定した場合、一見すると案件Cのほうが好条件に見えます。

ただ、注目すべきは通勤時間には片道で1時間、往復すると2時間の差があるということです。

月あたり20日稼働と仮定すると「仕事にかける時間」という見方をすれば、案件Aのほうが約40時間少ないことになりますので、時給換算3500円だとしても14万円の差が出ることになります。

さらに言うと、フリーランスのSEは会社員ではありませんので、交通費は自腹であることがほとんどですので、交通費を含めれば両案件の差はさらに開くことになります。

 

このように、清算時間や通勤時間を考えると、結果的に一番報酬が安い案件が好条件になるということもあります。

「通勤時間は気にしない、単価は高いほうがいい!」という場合は後者でもよいと思いますが、開発案件を探す場合はこれらの注意点を踏まえて探したほうが良い、ということを覚えておいたほうが良いと思います。